キトラ古墳というのを ご存知でしょうか?
1985年にその存在が確認されてから2016年まで調査され、数々の貴重な文化遺産が発見された、奈良県明日香村にある古墳です。
※画像はお借りしました
特徴的なものとしては、“四神” と呼ばれる、中国の神話に登場する この四体の神が描かれた壁画が発見されたことではないでしょうか
このブログでは、実際にキトラ古墳&キトラ古墳壁画体験館 “四神の館” に行ってみて わかった魅力を、素人なりに解説してみたいと思います!
なぜ四神がここに描かれていたのか、気になることいっぱいです
キトラ古墳とは?
そもそも古墳とは、大昔の人々のなかでも 権力があり、位の高かった人を祀るためのお墓だったと、社会の授業でも習いましたね^ ^
一番有名な古墳といえば、、
※写真はお借りしました
大阪府堺市にある仁徳天皇陵かな と。
さて、キトラ古墳。
この古墳は7世紀〜8世紀初めごろに造られた、下段の直径13.8m
上段の直径9.4mほどの、二段の円墳になります。
墳丘の中央には18個の凝灰岩の切石を積み上げた石室があり
その中には…
平成12年に特別史跡に指定され、令和元年には国宝に指定された壁画がありました。
古墳内の壁画に描かれていたのは
中国の神話に登場する四体の霊獣である四神
- 朱雀
- 青龍
- 白虎
- 玄武
それに加えて、四神の下には『獣頭人身十二支像』
天井には現存最古の本格的な『天文図』が発見されました。
すぐ近くには高松塚古墳があり、こちらでも四神の壁画が発見されていますが
四神すべてが揃って発見されているのは、このキトラ古墳だけになります。
キトラ古墳は いったい誰の お墓?
この疑問には 『はっきりとした回答がない』、というのが正解のようです。
一説によると・・・
- 天武天皇の皇子だった高市皇子
- 当時の高官だった百済王昌成
- 当時の右大臣だった阿部御主人
などなど、いろんな仮説が言われているようです。
ただ
古墳の中からは金や銀を施した装飾などが多く出土されていることからも、かなり身分の高かった人物だったのだろうことは想像できます。
現在のキトラ古墳
すでに発掘作業は2016年に終わっており、壁画が発見された場所は、古墳独特の こんもりした丘陵を見せているだけとなっています。
発掘された壁画は現在、『キトラ古墳体験館・四神の館』にて保管されています。
高松塚古墳についても少しふれてみます
キトラ古墳から約1.5キロほど北東に行った場所に、高松塚古墳はあります
※写真はお借りしました
この古墳からも、キトラ古墳と同様に四神の壁画が発見されています(キトラ古墳よりも先に発見されています)
が
こちらで発見された四神の壁画には朱雀の絵が残されておらず(盗掘のときに壊されてしまった模様)、唯一全ての四神が残っているのがキトラ古墳になります。
キトラ古墳と高松塚古墳の違いとしては以下の通りになります。
- 朱雀の壁画が高松塚古墳には ない
- 天文図はどちらもあるが、高松塚古墳のほうは簡略化された星宿図
- 高松塚古墳には男子群像と女子群像が、キトラ古墳には獣頭人身十二支像が描かれている
など、他にも細かな違いはあるので 一度訪れてみて比較してみるのもいいかもですね♪
こちらは今回お邪魔してないんですが…
次は行きますよ!
高松塚古墳の情報はこちらへ↓
キトラ古墳体験館・四神の館の情報
四神の館があるのは、奈良県の明日香村になります。
施設情報
入場料 | 無料 |
---|---|
開室時間 |
|
閉室日 | 水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始 |
駐車場 | 施設のすぐ近くにある公園に停められます。
約20台ほど。無料です。 |
HP |
www.asuka-park.go.jp
3 Users
1 Pocket
キトラ古墳 | 国営飛鳥歴史公園
|
実物の壁画の公開は、期間限定の事前申し込み制になっているので注意が必要です
ちなみに、2019〜2020年の四神壁画の公開時期は以下の通りでした
・2019.5.18〜6.16 『東壁・青龍、十二支 寅』
・2019.7.20〜8.18 『南壁・朱雀』
・2019.9.21〜10.20 『西壁・白虎、天文図』
・2020.1.18〜2.16 『北壁・玄武』
そして、直近ではコロナの影響もあり
2020.7.18〜8.16に朱雀と青龍を一緒に展示されていました。
四神の館のなかへ
館内には、壁画が描かれていた石室のレプリカが置いてあったり
館内上空には天文図と、大きなモニターで四神がお出迎えしてくれます
当時(飛鳥時代あたり)の文化や人々の生活などの紹介等
時間があっという間に過ぎていってしまうくらい、無料とは思えない内容になってますよ
国宝の四神の壁画は、公開日以外は近くで見れません
来訪した日は、特別公開の日と被ってたわけではないので
壁画を近くで見ることは叶いませんでした(残念)
壁画が安置されている部屋の撮影はNGなので注意してくださいませ
キトラ古墳発見から調査、採掘までの経緯
キトラ古墳という存在が発見されたのは1983年(昭和58年)ごろ。
高松塚古墳に似た丘陵地があるとのことで調査が開始されたのが始まりでした。
1983年11月
発掘調査開始・奥壁に玄武の壁画を発見
↓
1998年
CCDカメラを用いて さらに細かく調査を進めたところ、青龍、白虎、天文図を発見
↓
2001年
さらなる調査にて南壁に朱雀と、獣頭人身十二支像も発見される。
↓
2003年
石室内調査の結果、そのままの状態では崩れ落ちてしまうことがわかったため、2004年8月より、壁画保護のための取り外しをおこなう。
取り外した壁画は現在 『四神の館』の1階にある『キトラ古墳壁画保存管理施設』で保存されていて、期間限定・事前登録制により実物の壁画を公開しています。
壁画に描かれた、四神とは
四神とは、東西南北の四方を守る神(守護神)であり “方位の四神” という古代中国の信仰のひとつとして日本に伝えられました。
玄武
※画像はお借りしました
亀に蛇が巻きついているという、なんとも不思議な姿をした霊獣
方角の北を守る神であり、色は黒を象徴とし、四季は冬をあらわしています(玄冬ともいふ)
亀が蛇に絡みつく姿で描かれるのが一般的であり、古代中国では亀を雌、蛇を雄としたとも言われているそうです。
全体の姿は、中国唐時代の玄武図の影響が強いよう。
同時代に描かれた高松塚古墳の玄武は、亀と蛇の頭部が削り取られていて図像が判然としないが、キトラ古墳の玄武は ほぼ完全な姿で残っていることから、貴重な資料となっています。
描かれた壁画の図像の大きさは
縦15cm、横25cmになります。
青龍
※画像はお借りしました
龍です!カッコいいですね!
しかも青龍なんて さらにカッコよろし!!(°▽°)
これももちろん想像上の霊獣なんですが、龍というものは日本でもいろいろな場所で聞いたり、目にしたりすることが多いかもしれません(例えば、神社にある手水舎でも龍が用いられてることが多いかと)
方角の東を守る神。
色は青を象徴とし、四季は春をあらわしています(“青春” という言葉は ここからきているそうです)
古代の青龍の図像は しばしば西の白虎と似たような姿で描かれることがあり、これは白虎と青龍を一対とする考え方に基づくものだそうな。
残念ながら、キトラ古墳の青龍の主要な部分は泥土に覆われてしまっていて、わずかに赤い舌やくちばしの先端、両前脚の先が わずかに確認できるのみとなっているようです。
描かれた図像の大きさは
縦20cm、横は“不明”(泥土に覆われているため)になります。
白虎
※画像はお借りしました
“白い虎” ということではホワイトタイガーが存在してはいるけど、白虎自体は想像上の霊獣として古代中国に伝えられています。
高松塚古墳の白虎とキトラ古墳の白虎で違う部分があり
高松塚古墳の白虎は南を向いていて(これは一般的)、キトラ古墳の白虎は北を向いている(珍しい)という違いがあるのです。
方角の西を守る神。
色は白を象徴とし、四季でいうと秋をあらわしています(“白秋” という言葉は ここからきています)
描かれた図像の大きさは
縦24.3cm、横41.7cmになります。
朱雀
※画像はお借りしました
朱雀って鳳凰のこと? と言われることもあるくらい似ているが、どうやら別の伝説上の生き物のようです。
火の象徴としても例えられています。
方角の南を守る神。
色は赤(朱)、四季でいうと夏をあらわします(“朱夏” という言葉もある)
キトラ古墳の南壁は閉塞石と呼ばれ、最後に石室を閉じる役割をもっていました。
南壁以外の壁面は、石室を組んだ状態で描かれたことが分かっているが、
南壁の朱雀は石材を石室を外した状態の、明るい環境で描かれたためか
朱雀はキトラ古墳の壁画のなかでも出色の出来栄えを示しています。
描かれた図像の大きさは
縦15cm、横39cmになります。
獣頭人身十二支像とは
※画像はお借りしました
動物の頭と人間の体で十二支をあらわしたのが獣頭人身十二支像で、古代中国では この十二支の人形を置く習慣があったそう。
キトラ古墳においては、十二支を壁画に描くことで、葬られた人の魂を守ったとされています。
獣頭人身十二支像は四神の下に描かれており
北壁の中央に子像があり、方位に合わせて各壁に3体ずつ配置されてます。
現在確認できている獣頭人身十二支像は、子、丑、寅、午、戌、亥の6体です。
天文図(キトラ天文図)について
キトラ古墳の天文図は、天の北極を中心にした円形の星図になってます。
金箔と朱線で中国の星座が表されていて、現状で74座を確認。
古代中国では、天には天帝が治める世界が広がっていると考えられており、キトラ天文図も その天の世界観に則って描かれています。
おわりに
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!
このブログでは
- キトラ古墳とは
- 四神の館の情報
- 四神の詳細
を紹介してきました。
…行きたくなってきましたか?(笑)
行きたくなったときが “行きどき” かなと思います。
コロナ禍で なかなか外出しづらい状況の昨今ですけれども
ぜひ今度向かう旅の しおりに加えていただければと思います^ ^
遺跡・史跡を巡ったあとに ひと息入れたいときは、近くにあるカフェでまったりするのもいいかもですね♪
雰囲気の良いカフェでした( ^ω^ )
最後まで読んでいただき ありがとうございました!
おわり